spiel

ソーシャル メディアが、“ソーシャル メディア” という呼び名を伴ってから現在に至るまで、漠然とではあるが、ずっと気になっているモノがある。ソレは、一言で言ってしまうと “Loud Minority” の存在。

ブログが世に普及し始めてきた頃も、そうだし、SNS や Twitter のときも、その印象は、ほとんど変わっていないのだけれども、ソーシャル メディア、そしてソーシャル メディア マーケティングの世界は、特に圧倒的な存在感を持つ Innovator だったり、Early Adopter もとい、Loud Minority によって、ある意味振り回されている感が強いような気がするわけで。

いや、もちろん Innovator や Early Adopter の存在なくして、新しいモノや概念の普及は、到底ありえないだろうし、むしろ非常に必要な存在だったりするのだけれども、あまりにも、この Loud Minority の発言に過剰に振り回されてやいないか? という懸念は、そこかしこで感じてしまう。

たとえば、最近話題になったであろう、このブログのエントリー。コレが、こういった状況を的確に言い表し (かつ注意を促し) ているかもしれない。

iPhone と小さな社会 – 近江商人JINBLOG

一歩、ソーシャル メディアの世界に身を投じると、ちょっとあたりを徘徊するだけで、多くの情報が手に入ってしまうわけだけれども、その情報は、ともすれば、非常にバイアス がかかっているモノかもしれないし、何より、自分自身が身を投じているソーシャル メディアの世界において積極的に活動している人たちそのものが、まだまだ社会の中では Loud Minority でしかない可能性があるという現実を忘れてはいけないわけで。

また、その情報自体が、Minority なのか、Majority なのか、という点とは別に、もうひとつ、押さえておかなくてはならないコトがある。ソレは、言ってしまえば簡単なのだけれども、その情報自体が正しいの か、それとも間違っているのかというコト。実は、コレがソーシャル メディアの世界になってくると、意外と見えなくなってくるのではないかとも思うわけで。

とくにソーシャル メディアの世界の中では、あまりにも目立つ Loud Minority の声が、“業界標準” として語られてしまっているきらいがあるのだけれども、その Loud Minority の声が必ずしも正しいとは限らない。もちろん Loud Minority の声の中には、“ただの少数意見” として捉えるべきモノだけではなく、非常に先見の明を伴った示唆を多く含むモノだってあるが、いずれにせよ受け手として、ちゃんと咀嚼して考え、自分自身 で的確な判断を下さなくてはならないだろう。

要は、ソーシャル メディア上で、何か新しい方法論であったり意見が出てきたときには、ちゃんと、その情報の本質をしっかりと、自分なりに見極めなくてはならないし、ソレを 的確に判断するためのリテラシーは、必ず持っていなくてはならないのではないかと思うわけで。そして、何よりも一歩引いて冷静に、その情報を精査していく というコトが非常に重要なのかもしれない。

そして、これは何より自分たち自身でしっかりと身に着けていくべきモノであるし、他人任せには決してできない領域でもあったりするのだ。

考えてみよう。

“「素晴らしい戦略だ」といって声高に語られているどこかの事例は、実は Strategy でもなんでもなくって、ただの Tactics じゃぁないですか?”

“「マーケティングを変える」といって語られているどこかの事例。この事例を語っている人たちのマーケティング センスやスキルは、ちゃんと何かに裏打ちされているものですか?”

“ひょっとしたら、今あなたが信じ、実践しようとしている、その情報は、ただ単に新しモノ好きなヒトが、脊髄反射的に “コレはすごい!” と言って、その真偽や本質を見極めずブログに書いただけのモノなんじゃないですか?”

少なくとも企業の、特に事業主側の立場に立ってマーケティングをしていく方々は、特にソーシャル メディア マーケティングを実践していくにあたり、こういった点をちゃんと考えていく必要があるのかもしれない。

今、ソーシャル メディアの世界の中で情報を発信している人たちは、決してあなたのコンサルタントでもなければ、ましてや中の人でもない。つまり、乱暴な言い方をすれば、(あなたにとって) 無責任な発言だったりもするのだ。

自分で何らかの数字を背負ったり、責任を取ったりしなければならない立場にあるのであれば、この点は、ものすごくシビアに考えなくてはならないだろう。

まさに、ソーシャル メディアの世界でマーケティングをしていく人たちにとって、今、こういった情報の選別能力が問われているのだ。